ELLEGARDEN活動休止発表直後のインタビューを読んで感じたこと

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活動休止を発表したELLEGARDENのインタビュー記事が掲載されたロッキンオンジャパンをメルカリで購入した。約12年前に発売されたもので当時、私は中学1年生だった。YOUTUBEでジターバグを聴いて「うわー!なんだこれカッコいい!」と思い、すぐにELLEGARDENのホームページにアクセスしたところ、ページ上に活動休止の文面が出てきてガッカリしたのを憶えている。しかし、その日からELLEGARDENが好きになり、活動再開を発表した日には、運転中の車内で泣きながら ELLEGARDENを聴いて喜びを噛みしめた。そんなエルレ大好き人間の私だがリアルタイムで聴いていた世代ではないので「活動休止」の真相については今までよく知らなかった。だからこそ、唯一?の活動休止のインタビュー記事が載るロッキンオンジャパン を購入したのである。その内容はメンバー全員ではなくボーカル・ギターの細美武士の単独インタビューで行われ、カットを一切せずにインタビューの内容をほとんど全文そのままで載せてあった。インタビュー内で、活動休止の直接的な原因を細美は述べることはなかったが、それは当事者である細美自身もまだ活動休止という事実に戸惑い、整理をつけることができなかったからなのだと、しどろもどろになりながら話す彼から察することができた。ただ、本人も言うように「メンバー間に次のアルバムを作ることに対するモチベーションに差があること」「音楽に一切の妥協を許さない細美のストイックさに他のメンバーが疲弊してしまったこと」が活動休止の起因となったことは間違いないだろう(その他に様々な要因もあると思うが)。楽曲を生み出すことは、生半可なものではない。作品は常に過去に作ったものを超えるものではなければならないし、そのためには前作以上に全身全霊で曲作りに取り組む必要がある。ELLEGARDEN のメンバー達も「楽曲を楽しみに待ってくれているファンのため」「ミュージシャンとしてより良いものを作りたい」という強い意志だけを頼りに、自らを必死に追い込んで素晴らしい多くの楽曲を生み出してくれた。しかし、その反動による燃えかすのようなものが約10年間の活動で徐々に積もっていき、彼らのエンジンを詰まらせてしまった。ELLEGARDENは最強のロックバンドで若者達のヒーローだったが、メンバー達はその重圧に耐えられるほど器用に立ち回る人達ではなかった。私はそんな彼らのピュアな部分にシンパシーを感じていたし、周りと馴染めず苦しむ一人の男としてステージに立って歌う細美武士の姿に何度も救われてきた。

 

2018年に10年の活動休止期間を経て、彼らは活動を再開した。活動休止になったことを「自身の度量がなかった」と振り返る細美武士は、震災以降のボランティア活動やそれに伴う仲間達との出会い、音楽シーンでも唯一無二の存在感を誇るthe HIATUS、毎年、全国各地のフェスやライブハウスを熱狂させ、エルレ世代だけでなく今のライブキッズ達からも絶大な支持を誇るMONOEYESでの活動を通して、肉体も心もブラッシュアップされた屈強な男として今、 ELLEGARDENのフロントマンとしてステージに立っている。

私は、まだその勇姿を見ることができていない。今年の4月にそのチャンスがあったがコロナ禍により、実現することはなかった。

コロナウイルスの影響でELLEGARDENのライブにいつ行けるのかは、正直見当もつかない。しかし、ウジウジ言っていてもしょうがない。活動休止中のELLEGARDEN のメンバー達がきっとそうだったように、この期間を自身が成長できる時間と捉えて、私自身もひと回り大きくなった姿で彼らに会いたいと思う。